リビング新聞について
サンケイリビング新聞社
事業推進部部長 堀弘昌 氏
1971(昭和46)年に創刊した『リビング新聞』は、現在43エリア613万部をリビングレディが戸別配布、1984年に創刊した『シティリビング』は、現在5エリア約36万部をオフィスで働く女性に向けて配布しています。さらに、紙面と連動させたWebサイトを構築、読者組織を活用したプロモーションも実施しています。その他、紙面で培った読者を動かすノウハウと、映像やインフォマーシャルにおけるプロフェッショナルな知見を活かした動画コンテンツ制作も2021年にスタートし、紙メディアの枠を超えてその機能は拡張しています。
実は、当社の最大の強みはこのような多彩なプロモーション機能ではなく、発信した情報を信頼し、アクションしてくれるロイヤリティの高い読者を抱えていることです。アンケート依頼に数日で数千の回答が集まり、メーカーの窓口に「リビングで見た」と媒体名を挙げて問い合わせをしてくれる読者の存在です。長年のコミュニケーションで培った、読者との信頼関係が媒体力の源泉になっています。
フリーペーパーの永遠の課題として、限られた紙面で広告とコンテンツのバランスをどう取るかというものがあります。広告に比重を置くと読者が離れ、反対にコンテンツを重視すると収益減となるなど、これらのバランスを取ることがフリーペーパービジネスの肝となります。フリーペーパーの価値とは、広告情報を読者に喜ばれるコンテンツにすることで、当社は、広告情報を読者にとって価値のある情報にして届けることに、これまで注力してきました。
しかし、インターネットの普及によって、このビジネスモデルも大きな影響を受けることになりました。プッシュ型メディアとしては成立してたコンテンツも、Web上では引きが弱いというネガティブ面がある一方、スペースには物理的な上限がなく、情報発信の即時・即応性、インタラクティブ性に秀でているというポジティブ面があります。紙メディアとインターネットを組み合わせた情報発信は不可欠ですが、同じコンテンツを両方に掲載すれば良いという単純なことではなく、それぞれのメディア特性に合わせて、活用していくことが重要になってきています。
現在のコロナ禍で、多くの地域の企業が苦境に立たされ、読者も外出やイベント参加が難しくなりストレスをためています。昨年創刊50周年を迎えるにあたり、当社が「提供できる価値」を改めて考え、私達のビジネス基盤である地域ビジネスを応援し、読者へリアルでは難しくなった“体験機会”を提供することを軸に課題解決に取り組みました。
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