新聞 2紙の初回公査を実施
4月に新入会した下記1社2紙について、初回公査を実施した。専務理事の認証を得て、初回公査レポートを5月初旬に発行した。
<新聞 新規参加誌>
- 朝日学生新聞社 『朝日小学生新聞』
『朝日中学生ウイークリー』
2008年下期レポート発行 掲載誌は157誌に
-第90回雑誌業務推進委員会 ・ 第87回雑誌幹事会-
第90回雑誌業務推進委員会は、4月23日、プレスセンターCホールで開催、委員13人が出席した。 事務局から、2月5日開催の第5回デジタル雑誌公査 小委員会で、宮武委員(小学館・広告局シニアマネージャー)が、昨年11月に開催されたアジア太平洋デジタル雑誌国際会議および本年2月に発足した雑誌協 会・デジタルコンテンツ推進委員会の活動内容について説明したと報告した。
また、雑誌印刷部数公査合同委員会について、大塚委員長(講談社・顧問)が諸般の事情から、しばらく休会することとなったと報告した。第87回雑誌幹 事会は、同・Aホールで開催、委員36人が出席した。専務理事認証の後、初回公査レポートを含む52社157誌の「発行社レポート」作成を了承した。
<雑誌 新規参加誌>
- 朝日新聞出版 『AERA』
世界文化社 『Begin』
致知出版社 『致 知』
委員長、議長が交代
大塚委員長の第一通信社・社長就任にともなう後任委員長および議長の互選で、巴一寿委員(講談社・広告局長)が選任され、「諸先輩方のアドバイスやご意見をいただきながら、この役を務めてまいりたい」とあいさつがあった。
FPレポート装いを一新
-フリーペーパー発行社部会-
フリーペーパー発行社部会は、4月16日、協会会議室で開催、13人が出席した。
フリーペーパー発行社レポートの変更について、西野公査部長から、レポートの体裁、ジャンルの変更、報告項目の変更-の3点を説明した。
昨年7月の発行社部会で出された意見・要望を受けて、広告主で構成する開発委員会や、広告会社で取材を行い、利用者側の意見を参考に検討を重ねてきたと説明し、改めてレポートの体裁およびジャンルの変更を提案した結果、原案どおり了承された。
これにより、09年上期レポート(8月下旬発行予定)から①配布エリア地図の廃止②発行社記述の文字数削減③府県別部数・分析と地区別部数の統合-が実施される。
一方、削減される情報量を補うため、広告料金と発行社URLの掲載や各社媒体資料のJABC-DB上での公開を追加することにした。ジャンルの変更は、発行社レポート上で媒体比較を容易にする目的で、現行のフリーペーパーとフリーマガジンを、エリア型とターゲット型に分類する。
報告項目は、事務局から「①宅配②個人直送③手渡し④設置の4つを基本の配布方法とし、これらでは区分できないものを⑤その他配布⑥営業利用に分類したい」と提案した。発行社側からは「宅配にくくられている新聞折込とポスティングは全く別物であり、明確に区分してほしい」「報告項目が多すぎてかえって分かりにくい」「配布部数から営業利用は除外したらどうか」など、さまざま意見が提起された。
これらの意見を参考にして、岡本専務理事が「報告項目は①宅配②直送③設置④その他の4つとし、09年上期の発行社レポートから実施させてほしい」と提案し、異議なく了承された。今回議論されたポスティングと新聞折込の区別および報告部数からの営業利用分除外については、引き続き検討することとした。
広告売る立場としての「読書進化論」
経済評論家・公認会計士
勝間 和代 氏
自己紹介
ブログ(月に50万アクセス)、メルマガ(1万3000人配信)、ラジオ(J-WAVEのインターネットラジオ毎日昼間15分)、テレビ(月に平均4、5回出演)、新聞連載(3紙)、雑誌連載(6誌)―とまず自己紹介させていただく。
これくらいインプレッションがあると、とりあえずどこかで見たことのある人だなと思ってもらえる。
いきなり書籍を売ろうとしても難しい。メディアの露出を増やす努力をすることが、書籍の売り上げに寄与する。年間100万部のペースで売れた要因は、ここにあると言いたい。
書籍はコンテンツで売ると思いがちだが、年間約8万点を超える昨今、個々の差別化は難しい。次にチャネルで差別化するが、その整備も一通り終わると次はブランディングだ。売るためには、それを発行している会社や著者のブランディングが重要になる。著者ブランディングとしての私のイメージを1つでも2つでも 記憶していただきたい。
●経営コンサルタントの視点から見た出版界
私は、証券会社のアナリストとしてメディアの企業分析も行ったが、実際に自分が本を出したとき、次の4点に驚いた。
| 1. | 事前マーケティング 商品開発の基本は、事前マーケティングをしっかり行うこと。装丁と題名だけ決めて、書店に並べた後に売れたか売れないかだけをみよう とする。「あれ?こんなんでいいの?」というのが最初の印象で、私の場合、タイトルも複数並べてユーザーに選ばせインプレッションを見るなどの徹底した テストマーケティングを実施してきた。 |
| 2. | 費用対効果の計算 マーケティングの潜在市場がどれくらいあるか?広告費、制作費を含め何部売れれば採算が合うのか? 費用対効果が計算されているとは思えなかった。出版社には、編集のプロはいても、マーケティングのプロはいない。 |
| 3. | 売れているものに対して注力 売れる、売れないは当然あることで、店頭での回転率、消化率も本によって違う。経営コンサルタント的視点で言うと、消化率が高い本にはどんどん広告を打ち、追加投資をするべきだ。しかし、現状はあまりに点数が多すぎるため、力が分散しているように思う。 |
| 4. | 新チャネルの活用 ウェブチャネルの活用は発展途上で、ブログもあまり使われず、ウェブの中身もカタログのようなものがポンとあるだけだった。 |
●マーケティングのフレームワークを4Pの視点から分析、そして仮説に基づき売るために実施したこと
4P(PRICE、PRODUCT、PLACE、PROMOTION)で考える。
売れる本、売れない本がなぜ偏ってしまうか。同じ値段で売られていることは、人気のある本に割安感が出て、集中して売れる仕組みとなる。価格弾力性は思ったよりあり、いかにコントロールするかが課題だと思う。ページ数と判型はほぼ決まっているなかで、内容をよくすれば、割安感が出てくる。
もう1つ、徹底して顧客コストを下げる。顧客コストというと売価と思いがちだが、時間や手間ひまのコスト、顧客にその本の発売をすぐに気づいてもらうこと が重要だ。実際に、私が実施したのは腰高の帯だ。低い帯だとキャッチコピーしか書けないが、私は3分の2の高さを提案し、「はじめに」を載せた。これなら、本を開かずに一番言いたかったことを読んでもらえる。
数千部売ればいいという専門書、大衆書はたくさんあるのだが、中間的な本は意外と少ない。もともと本は大衆文化であって、学校に行くまでもないが、テレビ では物足りないと感じる相手が市場だ。中間的コンテンツ、専門的な話をかみ砕いて易しくしたものが少ない。そこで、文章を書くときは話し言葉で易しく、ただし内容は真剣に書くように心掛けている。
日本は、アメリカや韓国に比べるとオンライン書店の流通が、まだ小さく、8割がリアル書店で購入している。そんな現状では、取次会社、書店にどのように配本や陳列をしてもらうかが重要になっている。
そこで、ネットに力を入れ個人ブログを販売チャネルに考えた。個人ブログは書評ブロガーを含め、一般のブロガーたちのブログ。これまで書店での購入が当たり前、書評も専門家の方々が書くのが当たり前だったが、そうではなくて、一般人が書評家となって、自分のブログやmixi、リアル(携帯用無料ミニブログ)などに書き込む。いったい何だろう?とクリックしたり、例えクリックしなくとも頭に残り、店頭で「ああ、この本」と手に取るようになる。流通チャネ ルとしてブログや個人というチャネルをもっと取り入れようと考えた。
本の広告は、新聞と店頭POPで完結しているように感じた。費用対効果の検証をやっていない。その広告で何部売れたのか、QRコードやレスポンスリストな どの検証も必要だ。2007年当時から、半年かけて勉強したが、そこで感じたことは著者パブリシティーと口コミの徹底。書籍の商品単価は安いので、何百万円もかけての広告は、なかなか投下しにくいものだ。それよりも「この本面白いよ」という口コミで様々な仕掛けを組んだほうがいい。インターネットは口コミ の加速機という役割がある。
音楽CDマーケットを参考に考える
本とCDのマーケットはとてもよく似ている。最近のCDマーケットは楽曲、編曲や音楽機器の発達もあって、どれも優劣つけがたい。では、なぜそのCDを買 うのか。歌手に共感するから、アーティストが好きだから。本についてもほぼ同じ仕組みであり、内容でも売れるが、それよりも著者に共感できるかどうかがより大きいと考えている。
CDも書籍も、大衆マーケットがとてもよく似ている。コアなファンの基礎票が 3、4万、ミリオンセラーがたまに出て10万部以上売れたらそこそこヒットといわれる。そして、CDマーケットのほうが進んでいるのは、すでに過当競争に なり、売り上げが落ち始めていたため、ウェブでのマーケティングやアーティストパブリシティーに力を入れるなど、努力したからだ。今後は、CD業界が苦しんでいるダウンロードや不正コピーなどが、書籍の世界でも起きてくる。その時代に合わせたビジネスモデルの組み立て方を、考えなければいけない。
チャリティーブックプログラムチャボ (www.jen-npo.org/chabo)
社会貢献のために行っている。本を作るということは、これまで得てきた知識を社会に還元したいというのが発想だと思う。ただ本だけだとなかなか社会貢献が行き届かない。それを金銭というかたちで行おうというのがこのプログラムの目的。
著者印税の20%を天引きでプールして、JENというNGO団体を通して、スーダン、スリランカに寄付している。昨年、スーダンに行ってきた。そこではみんなが雨水を飲んでいて、1週間に1度は下痢をしている。現地の人は危険だとわかっているが、これしか飲むものがない。学校にいる間だけでも安全な水を飲んでもらいたいと、小学校に井戸を建設する活動を行っている。チャボ立ち上げから現在まで10人の著者から賛同を得、参加してもらっている。
日本人はもともと読み書きができる恵まれた環境にいるが、その環境を独占することなく、2割の印税で1つでも2つでもできることをやって行きたいと思う。チャボの活動は本の帯に印刷するなど、追加のコストがかからない方法で効果的な社会貢献活動を行っていると自負している。
最後に、本をたくさん売るための魔法の杖はない。例えそれに似たようなことがあっても、運よく売れただけで、再現性はない。地道なマーケティング調査を実施することが大切だ。私にも失敗事例はあるのだが、そんな場合は速やかに引き上げた。予測のつかないことも多々あるが、結果を素直に受け止めてそこから何かを学び、次にどう動くかを考え続けて行きたい。
講演後の質疑応答から
| Q. | 口コミが重要とのお話だったが、企業が行うと仕掛けがにおったり、ネガティブなことが多いような気がする。出版社としてどのように進むべきか。 | |
| A. | 出版社がやってうまくいっているものとして、「社長室ブログ」がある。人気ブログのひとつになっている。社員も書き込み、どれだけ苦労して本を作ったかの プロセスや著者が言っていることなど、いやらしくなく読者と共有できる。本の表紙を何種類か示してどちらがいいですかとユーザーに投票してもらうなど、宣 伝ではなくて、ストーリーを共有するという発想だ。 |
出版社が作るサイトは本のカタログの劣化コピーがほとんどだ。紙のカタログをウェブに載せたとたん劣化するというのが私のポリシー。紙の劣化コピーにしないウェブサイト作りを心がけてほしい。
| Q. | 雑誌と新聞のマーケティングについて、お考えがあれば教えていただきたい。 | |
| A. | 雑誌も新聞も少し前のテクノロジーを前提にすべて組み立てている。新しいテクノロジーを使って安価にやってくる人たちにどう抵抗するのかが,大きな課題。新聞は今でも活字を拾って作るという前提の版型、文字組み、文字数になっている。本当に若年層を取り込むならメディアの形態ごと変えなければいけないと思う。正直言って新聞の形態は読みにくい。手が汚れる、バサバサとめくるなど、時代に合わなくなっている。 |
月々4000円前後の購読料で紙の形を届けるだけでなく、ウェブ購読で月々1500円から2000円のモデルを作らないと若年層は読まない。私が新聞をゼロベースで作るとしたら、おそらく紙は出さないと思う。必要な記事にプライオリティーをつけて、プッシュ型のメール配信のような新聞になるのでは。
| Q. | 雑誌の販売方法についてどう考えていくべきか。 | |
| A. | 雑誌はとにかく定期購読を増やすこと。定期購読者を増やす努力をしているというわりには、メルマガのフッターや雑誌のサイトに定期購読申し込み用のタグをつけていない。QRコードも載せていない。 |
昔は郵送代金が高くて、定期購読は割りに合わなかった。しかし最近は同業者が競合して配達料もとても安価になってきたので、意外とペイする。400円の雑誌なら1年間に5000円近くになるので、同じ広告費を使うのであれば1冊売るのではなく、1年分あるいは3年分売るようにしたらというのが基本的な発 想。定期購読は、多少読まなくなってもタイムラグが3、4カ月ある。一番大事なことは、いかに顧客獲得コストを下げるかだ。
印刷部数公査の検討、凍結に
-第4回雑誌印刷部数公査合同委員会-
第4回雑誌印刷部数公査合同委員会は、4月7日、日本雑誌協会・会議室で開催、委員10人が出席した。
大塚委員長(講談社・顧問)から「今年に入り、印刷部数公査について意見を聞くため、ABC協会・雑誌業務推進委員会を臨時で開催したほか、雑誌協会・広告委員会でも議論した。さまざまな意見が出ているが、これらを踏まえて、皆さんのお考えを述べていただきたい」と説明し、委員に意見を求めた。
委員からは、「当社としては実売部数を公表するべきだと考えており、ABC参加誌をできるだけ増やしていきたい」「時代の流れは実売部数の公表と認識しているが、専門性の高い小部数の雑誌は、部数公表によるマイナスの影響が懸念される」「各社さまざまな立場があり、強制するのは難しいだろう」「印刷部数 公査をABCに移行すると、費用がかかるので難しい。世の中の情勢が厳しいので、この議論は好転するまで休止したらどうか」など、多様な意見が出された。
最後に大塚委員長が「経済状況が昨年夏からどんどん悪化していて、皆さんの意見をまとめるのがますます難しくなった。この委員会は、いったん凍結することとし、今後状況がよくなったら、再開してはどうか」と、当分の間の委員会凍結を提案し、全員異議なく了承した。
新入会のお知らせ
フリーペーパー発行社 1社
- (株)ドリームeカレッジ
『Dream e College マガジン』
『カレッジリーグエクスプレス』
取締役 綱 島 宏 昭
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町13-1 サトウビル3階
広告主 1社
- (株)ジー・サーチ
取締役 松 本 昌 樹
〒108-0022 東京都港区海岸3-9-15 LOOP-Xビル9階
広告会社 1社
- (株)毎日メディアサービス
代表取締役社長 淵 上 忠 之
〒812-0004 福岡市博多区榎田1-7-17